40代から筋トレは遅い?|ジョギング10年のあと45歳で始めた私が、最初に知っておきたかったこと
私は35歳でジョギングを始め、45歳ごろから筋トレを始めました。いまは50代半ばです。この20年で体は確かに変わりましたが、遠回りもしましたし、ケガも何度もしています。実はいまも肩を痛めていて、筋トレを休んでいます。
だからこそ書けることがあると思いました。「40代 筋トレ 始め方」と検索すると、トレーナーやお医者さんの書いた正しい記事がたくさん出てきます。この記事では、その正しさを自分の体で確かめるまでに、何を間違えたかを書きます。

40代から筋トレを始めるのは遅い?
遅くないと思います。私は45歳で始めて、体の形が目に見えて変わりました。研究でも、筋トレに限らない運動全般の話ですが、中年期から始めても遅すぎないと報告されています。
米国で50〜71歳の31万人あまりを追跡した研究では、若いころは運動していなかったけれど40代以降に運動量を増やした人の死亡リスクが、生涯ずっと運動を続けた人とほぼ同じでした(Saint-Maurice PF, et al. JAMA Network Open 2019)。年齢とともに筋肉がどう減っていくのか、40代から始めて何が変わるのかは、健康寿命と筋肉|「年1%減る」は、何もしなかった場合の話だったで詳しく書いています。
この記事で書きたいのは、その先の話です。遅くはない。ただ、40代で始めるなら、強くなることより続けることを優先したほうがいい。それが、10年走って10年鍛えた私の実感です。
ジョギングだけでは、体づくりに足りない?

私の場合は、上半身の筋肉が足りませんでした。10年走って脚はそれなりについていましたが、胸や腕、背中には筋肉がほとんどありませんでした。
走り始めたきっかけはダイエットでした。それまでもう何年も、運動らしい運動はしていませんでした。35歳でジョギングを始めた最初のころは、100mも走れません。100m走っては歩く、100m走っては歩くの繰り返しで、1kmも走れていなかったと思います。
走り方も分かっていませんでした。汗をかけば痩せると思い込んで、ウェットスーツのように何枚も着込んで走っていました。靴もジョギング用ではなく、家にあったものです。あとで知ったのですが、汗で減った体重は水分なので、水を飲めば戻ります(京都府山城北保健所)。日本スポーツ協会も、熱中症予防として軽装で熱を逃がすよう呼びかけています(日本スポーツ協会「熱中症予防5ヶ条」)。厚着をしても、そのぶん脂肪が余計に減るわけではありませんでした。
少し距離が伸びて楽しくなってきたころ、厚着をやめてみました。驚くほど楽に走れて、そこからのめり込みました。平日は週2回、会社から自宅までの約10kmを夜に走って帰り、土日も走る。多い月で150kmほど走っていました。
続いた理由は2つあります。1つは習慣になったこと。もう1つは、いいペースのままずっと走り続けられたときの「自分はこれだけ走れるんだ」という気持ちよさです。最初はダイエットのためでしたが、途中から走ること自体が楽しくなっていました。
体重は少しずつ減っていたのかもしれませんが、変化がゆっくりなので、あまり実感はありませんでした。それより、脚と心肺は鍛えられても、上半身はほとんど手つかずのまま45歳になっていました。
筋トレは何から始めればいい?
私の答えは、継続できるトレーニングからです。私自身、運動するつもりではなく、半分は風呂に入るつもりでジムに行ったのが始まりでした。
家の目の前にジムがありました(いまはもうありません)。妻は10年ほど前から会員で、「無料だから来てみたら」と誘われていましたが、私は「トレッドミルで走るより外を走るほうが絶対に気持ちいい」と思って断っていました。ある日、会員と一緒なら無料で入れるというので、風呂目当てでついて行きました。
せっかくなので、いろいろなマシンで見よう見まねの筋トレをして、そのあと走り、最後に風呂とサウナに入りました。疲れた体にそれが本当に気持ちよくて、その場で入会を決めていました。
それからは、ジムが開いている日はほぼ毎日通いました。筋トレをしない日も、風呂には行く。運動というより、生活の一部になっていたと思います。
はまった理由ははっきりしています。トレーニングのあとに風呂場の鏡を見ると、胸が張って大きくなったように見える。体重は変わらないのに、体の形が変わっていくのが分かる。走っていたころにはなかった手応えでした。そのぶん、外を走る回数はどんどん減っていきました。ジョギングでは膝や太ももの付け根を3〜4回痛めていて、特に右膝は大きなケガでした。それも走る回数が減った理由の1つです。
種目の選び方や回数・頻度の目安は、女性の筋トレ入門|種目は「得意・好き・なりたい形」で選べばいいにまとめています。女性向けに書いた記事ですが、選び方の考え方は男性にもそのまま使えます。
40代の筋トレでケガをしないために、何に気をつければいい?

フォームです。フォームが崩れるくらいなら、その重さには手を出さない。重さに満足できなくても、そこでやめる。これが、肩を痛めて私が学んだことです。
マシンだけでしばらく続けたころ、ダンベルやバーベルを使うフリーウェイトもやってみたくなりました。ベンチプレスを始めたのですが、フォームをまったく知らないままでした。バーを下ろす位置が高すぎて、肩に近いところで押し上げていたのです。すぐに肩を痛め、2〜3週間、もしかすると1ヶ月ほどベンチプレスができませんでした。
あとから調べると、下ろす位置そのものを扱った研究は見つけられませんでしたが、ベンチプレスでは手幅を肩幅の1.5倍より広く握ると、肩への負担が大きくなる可能性が指摘されています(Green CM & Comfort P. Strength Cond J 2007)。肩甲骨を寄せて行うと肩関節にかかる力が小さくなる、という計算の研究もあります(Noteboom L, et al. Front Physiol 2024)。
いま振り返ると、初心者のうちにトレーナーについてフォームを習うべきでした。それが難しければ、本や動画でしっかり勉強してから始める。フリーウェイトは自由に動かせるぶん、間違ったフォームも自由にできてしまいます。
なお私は病院に行きませんでしたが、痛みが続くときや、腕が上がらないときは、自己判断せずに整形外科を受診してください。
40代の筋トレは、中2日休めばいい?
日数で決めないほうがいいと私は思います。回復したかどうかは自分にしか分かりません。目安にするのは筋肉痛ではなく、腱の回復です。
ネットで調べると「中2日あける」といった休養の目安をよく見かけます。間違いではないと思いますが、私はそれに引っ張られないほうがいいと考えています。回復の早さは人によって違いますし、同じ人でも年齢で変わると感じます。私自身、35歳で走り始めたころと50代半ばのいまとでは、回復にかかる時間がまったく違うと感じています。
年をとると回復が遅くなるという感覚は、年齢を重ねたスポーツ選手の間で広く持たれているそうです。ただ、人を対象にした研究では結果が一致しておらず、はっきりした結論は出ていません(Fell J & Williams D. J Aging Phys Act 2008、Li X, et al. Cells 2024)。だからこそ、一般的な日数より、自分の体の回復を見極められるようになることが大事だと思っています。
見極めるときに頭に置いておきたいのが、筋肉と骨をつなぐ腱です。筋肉痛が消えたからもう大丈夫だろうと思ってガンガンやっていると、たぶんどこかを痛めます。研究でも、筋肉は比較的早く強くなるのに対して、腱の適応はもっとゆっくりで、筋力の伸びに腱が追いつかない時期があると指摘されています(Bohm S, et al. Dtsch Z Sportmed 2019)。回復したかどうかよく分からないまま筋トレをするくらいなら、確実に回復してからやったほうがいい。
いまのトレーニング場所は自宅で、ダンベルとベンチ台、ぶら下がり健康器のような懸垂ができる器具をそろえています。痛めている肩は、たぶん懸垂で痛めました。懸垂でケガをするとは思っていなかったので、自分でも首をかしげています。肩は少し慢性的になってきていて、回復にも時間がかかっています。
何度もケガをして思うのは、40代からの筋トレは、強くなることより続けることに重きを置いたほうがいい、ということです。1回の無理で数週間止まるくらいなら、余力を残して続けたほうが、結局は先に進めます。
プロテインはいつ、どう飲めばいい?
筋トレをしていた時期は、トレーニングの1時間前に30gほど飲んでいました。ただ研究では、トレーニングの前か後かで大きな差は出ていません。大事なのは1日の総量だという分析があります。
飲み始めたのは、筋肉は栄養が足りないと育たないと分かった、筋トレ開始から半年以上あとです。最初は直後に飲んでいましたが、途中から前に変えました。
タイミングについては、筋トレ経験者21人を、たんぱく質25gをトレーニング直前に飲む人と直後に飲む人に分けて10週間比べた研究があります。筋力にも筋肉量にも差は出ませんでした(Schoenfeld BJ, et al. PeerJ 2017)。20以上の研究をまとめた分析でも、タイミングそのものより1日にとるたんぱく質の総量のほうが結果を左右していました(Schoenfeld BJ, et al. JISSN 2013)。前でも後でも、自分が続けやすいほうで構わないと思います。
筋トレを休んでいるいまは、プロテインも飲んでいません。運動していない時期に飲むかどうかは、食事でたんぱく質が足りているかで決まります。その考え方は運動しない人もプロテインを飲むべき?|答えは運動の有無ではなく、食事で足りているかで決まるに書いています。
まとめ
- 40代から筋トレを始めるのは遅くありません。私は45歳で始めて、体重は同じでも体の形が変わりました
- 10年のジョギングでも、上半身はほとんど手つかずでした
- 始めるなら、継続できるトレーニングから
- ケガを避けるために気をつけたいのはフォーム。崩れるくらいなら、重さに満足しなくてもやめます
- 休みは日数で決めず、自分の回復を見極めます。目安は筋肉痛ではなく腱です
- プロテインは前でも後でも、続けやすいタイミングで構いません
40代から体づくりを始める人に1つだけ伝えるなら、「強くなるより、長く続ける」です。ケガで止まっているいまの私が言うので、説得力があるかどうかは分かりません。ただ、止まってみて初めて、続けられていた日々の価値が分かりました。肩が治ったら、今度は重さより続くことを優先して再開するつもりです。もうひとつ、うれしい収穫もありました。妻と同じジムに通うようになって共通の趣味ができ、前より仲よくなったことです。
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