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Miaomadaという会社④|AIの使い方。最初に作ったのは出金伝票のアプリだった

このシリーズでは、1本目で会社として一番大事にしていること、2本目で誰がどの領域を持っているか、3本目で何をどう決めているかを書いてきました。最終回の今回は、AIの使い方です。

AIについての考え方は、2本目で少し書きました。苦手な仕事と手を動かすだけの仕事はなるべくAIに寄せて、人は決めることに寄せる。今回はその続きで、考え方ではなく、実際に何をやったかを書きます。

MiaomadaがAIを本格的に使い始めたきっかけは?

2026年1月に、出金伝票を管理するアプリをAIに作ってもらったことです。手書きの伝票をやめたくて頼んだら、あっけなくできました。

それまで出金伝票は手書きでした。私はバックオフィスから紙を一切なくしたいと思っていて、手のかかる作業もできるだけ減らしたかった。そこでGoogleのAIのGeminiに、GoogleスプレッドシートとAppSheetでアプリを作ってもらいました。

できたのは、スマホで開いて、何に使ったか・いくら使ったかを選んで入力するアプリです。その場でレシートや領収書の写真を撮って保存すると、内容がスプレッドシートに転記され、写真は所定のフォルダにたまります。スプレッドシートには写真へのリンクが付くので、記録とレシートを同時に確かめられます。紙の伝票は、これでなくなりました。

そのとき思ったのは、「これ、何でもできるんじゃないか」ということでした。スマホとスプレッドシートをつなぐだけで、業務のアプリがこんなに簡単にできる。1年前の私なら、アプリを作ろう、とは言えなかったと思います。いまは、少し面倒な作業があると、それならアプリを作ればいい、と自然に考えるようになりました。ここから、ずっと引っかかっていた問題にも手をつけることにしました。

なぜ販売管理ソフトを、自分たちで作り直したのか?

お客さんごとに売上の単価を変えられず、数量ごとにも変えられなかったからです。これが決定的でした。

Miaomadaは長く市販の販売管理ソフトを使っていました。ただ、うちの取引では、同じ製品でもお客さんによって単価が違い、まとめて買ってもらえば数量に応じて単価も変わります。それを、使っていたソフトでは持たせられませんでした。

変えられるソフトがないか探しましたが、見つかるのは、会社全体の業務をまとめて管理するERPと呼ばれる大きな仕組みでした。少人数の会社が入れるものではありません。変えなければと思い始めたのはだいぶ前で、探してもないな、という状態がずっと続いていました。

そこへ出金伝票のアプリで「何でもできる」と分かって、これは自分で作れるんじゃないかと思いました。単価の問題も、バックオフィスの紙と手間も、一気にやってしまおうと決めました。いまは市販の販売管理ソフトをやめて、売上・仕入・在庫の3つの管理表を、Googleスプレッドシートと、その上で動くプログラム(Google Apps Script)で自分たちで作って使っています。プログラムを書いたのはAIで、私はプログラミングの経験がありません。

作る順番は、途中で入れ替えました。最初は請求書を読み込んで会計まで自動でつなぐ仕組みから考えていましたが、経理と業務の担当に話を聞くと、受注の段階で単価の間違いを見逃してしまうことがある、という声が出てきました。お客さんの注文書に書かれた単価が違っていたのに、そのまま登録してしまった。数量に応じて変わるはずの単価が、変わっていなかった。そういう間違いが実際にありました。会計の前に、受注で止めないと意味がない。それで、売上の管理から先に作りました。

正直に書くと、AIを使い始めたばかりの人間が、いきなり販売管理から作り始めたのはまずかったかもしれません。かなりきつかったです。作り始めると、あれも要る、これも要ると、仕組みがどんどん大きくなっていきました。このまま完成しないかもしれない、という不安がよぎった時期もあります。

その中で、AIへの頼み方を一気に覚えました。質問して答えをもらうのではなく、仕事を任せて最後までやってもらう使い方です。売上の管理表で苦労した分、次の仕入の管理表は、最初に設計を固めてから任せました。進む速さは、比べものにならないほど違いました。同じ人間が同じAIを使っているのに、頼み方を変えただけです。

なぜGeminiからClaudeに乗り換えたのか?

同じ仕事をGemini、Claude、ChatGPTの3つに頼んで、成果物はClaudeのものがいちばん良かったからです。2026年1月の後半に、メインをClaudeへ移しました。

Googleのサービスに乗ったのは、2025年12月に、Geminiの新しいモデルがもてはやされている記事を読んだのがきっかけです。Gemini以外も試してみようと、評判の良かったClaudeも入れていました。そこで、海外へ製品を送る輸送費を製品1個あたりに割り振る原価計算を、3つに同じ内容で頼みました。答えは同じでしたが、表の作りと数式の整い方はClaudeがいちばんでした。

AIはClaudeに変えましたが、Google Workspaceにしたのは大正解でした。それまで社内の連絡は口頭が中心で、大事なことだけメールにしていました。使い始めてすぐGoogle Chatに移したら、やり取りがずっと速くなりました。もう1つはGoogle Apps Scriptです。売上・仕入・在庫の管理表も、これで動いています。会社がもっと大きくなれば足りなくなるかもしれませんが、いまの業務はほぼこれで回せています。

実行が苦手な代表のToDoは、AIでどう変わったのか?

やり終えたことを記録に書き戻す手間を、AIが引き取ってくれるようになりました。書き戻しが続かずに止まっていたToDoやプロジェクトの管理が、回るようになりました。

ToDoの管理は昔からやっています。ただ、ずっとうまくいきませんでした。漏れる。書き忘れる。そして一番面倒なのが、終わったことを書き戻す作業です。計画を立てるところまではできても、実行して終わったものを消していない、割り込みが入ったときに予定を組み直していない。そうやって、だんだん実態とずれていきます。結局、簡単なToDoしか続きませんでした。

私はストレングスファインダーで見ると、実行の力に分類される強みがまったくありません。やることを積んでおいたまま、なかなか手をつけない側の人間です。3本目で、部品の単品販売を一人で5ヶ月半止めていた話を書きましたが、あれがまさにそうです。

いまは、ToDoの管理をAIに任せています。終わったと言えば消してくれる。割り込みが入れば、残りを組み直してくれる。書き戻しの手間がなくなったので、記録と実態がずれなくなりました。苦手なことを人に任せるのと同じで、苦手なことをAIに任せたら、積んだままのものが減りました。

社員には、AIをどう渡しているのか?

全員にClaudeを渡して、相談相手ではなく、仕事を任せる相手として使ってもらっています。最初は失敗しました。

最初は、社員全員にChatGPTを、使い方を決めずに渡していました。各自が使いたいときに使う形です。渡し方がそれだったので、仕事の中にはなかなか入っていきませんでした。

自分がToDoや管理表で経験したのは、AIに質問することではなく、AIに仕事を任せることでした。だから社員にも、そういう使い方をしてもらうほうがいい。そう考えて、自分が使い込んでいるのと同じClaudeを全員に渡し直しました。今度は、仕事を任せる使い方をする前提です。チャットで質問に答えてもらう使い方ではなく、ファイルを読ませて作業をさせるCoworkか、Claude Codeのどちらかを使ってもらっています。

渡すときに伝えていることは、1つです。繰り返しの仕事、苦手な仕事、面倒だと思う仕事は、とことんAIに渡してほしい。逆に、自分が好きな仕事は、AIに任せずに自分の手でやってほしい。

たとえば、イラストを描くのが好きな人がいたとします。いまはイラストもAIで作れます。それでも、描くのが好きなら、自分で描いてもらいたい。AIに渡すのは、好きな仕事に使う時間を空けるためです。好きな仕事までAIに渡してしまったら、1本目で書いた、時計を見ないで働ける時間のほうが減ってしまいます。

AIを使うとバカになるのか?

なる人と、ならない人がいると思います。分かれ目は、判断と責任を自分で持っているかどうかです。

AIを使い始めた頃は、これを続けたら自分はバカになるんじゃないかと思っていました。文章を書く力が落ちる。考える力が鈍る。

いまの答えは、使い方で分かれる、です。楽をしたくてAIに聞いて、出てきた答えを何も考えずにそのまま出す。そういう使い方を続ける人は、たぶんバカになります。逆に、判断と責任は全部自分で持って、自分がやる必要のないことだけをAIに任せる。そういう使い方をしている人は、バカにはなりません。

私はプログラムを一行も書けませんが、売上・仕入・在庫の管理表は動いています。AIに渡したのはプログラムを書くことで、単価をお客さんごと・数量ごとに持たせる、受注の段階で間違いを止める、と決めたのは私です。漢字を手で書かなくなっても、何を伝えるかは手元に残るのと同じだと思っています。

ただ、この使い方をしても、仕事は楽になりません。仕事はものすごく速くなりますが、頭はものすごく疲れます。手を動かしていた時間が減った分、決めることが次から次へと来るからです。慣れは要りますが、仕事の密度が大きく変わります。

そして、新しいことをどんどん吸収できるようになりました。販売管理を作りながらAIの頼み方を覚えたように、やる必要のないことを手放した分だけ、考えることに時間を使えます。それを続けていくと、仕事に深みが出てくるのではないかと思っています。

もう1つ、以前と変わったことがあります。前は、やらなければいけないことができていない、という引っかかりが、いつも頭のどこかに残っていました。いまは、自分で決めたことを、AIの力を借りながら終わらせていけています。それが充実感になっていると思います。

まとめ

  • きっかけは、2026年1月に作った出金伝票のアプリです。紙の伝票がなくなりました
  • お客さんごと・数量ごとに単価を変えたくて、売上・仕入・在庫の管理表をAIに作ってもらいました
  • Geminiから入りましたが、同じ原価計算を3つのAIに頼み比べて、Claudeに乗り換えました。Google Workspaceにしたのは大正解で、Google ChatとGoogle Apps Scriptがいまの仕事を支えています
  • 実行の強みがない私のToDoは、書き戻しをAIが引き取ってくれるようになって回り始めました
  • 社員には、仕事を任せる前提でClaudeを渡し直しました。繰り返し・苦手・面倒な仕事はAIに、好きな仕事は自分の手で、と伝えています
  • AIを使うとバカになるかは、使い方で分かれると思います。答えをそのまま出す人はなり、判断と責任を自分で持つ人はなりません。ただ仕事は楽にはならず、速くなる代わりに頭はとても疲れます

これで、このシリーズは終わりです。強みに沿って配置して、領域を重ねて、方針は私が決めて動かして、苦手なことと手間はAIに寄せる。少人数の会社がいまどう動いているかを、4本で書きました。どれもまだ途中です。

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