Miaomadaという会社③|方針は私が決める。ゴールポストは動かす
前回は、いま誰がどの領域を持っているかという配置の話を書きました。今回はその配置で、実際にどう仕事を回しているか。中でも、何をどう決めているかの話です。
先に書いておくと、うちの決め方はきれいではありません。決めたことが途中で変わります。それでも変えたほうがいいと思っている理由を、実際に変えた2つの例と一緒に書きます。

Miaomadaでは、誰が方針を決めているのか?
代表の私が決めています。そのうえで、出てきた意見はなるべく取り入れるようにしていて、決めたら考え込みすぎずにまず動くことを心がけています。
少人数の会社なので、会議を重ねて合意を取っていく、という形にはなっていません。何を作るか、どこまでやるか、いつまでにやるか。その方針は私が出します。
ただ、実際に手を動かすのは持ち場の人たちです。「これを、こういうふうに、ここまでやろう」と私が決めて、その先は1本目で書いた強みに沿った配置で、それぞれが進めます。
決めるときに気をつけているのは、決める前に考え込みすぎないことです。全部の情報が揃うのを待っていると、少人数の会社は止まります。ある程度見えたら、まず動く。考えるのは、走りながらです。
決めたことは、途中で変わるのか?

よく変わります。1ヶ月、2ヶ月で考えが変わって、ゴールポストが動くことがよくあります。社員は正直、困っていると思います。
ここまでやろう、と決めて走り出したのに、途中で行き先が変わる。やる側からすれば、たまったものではないはずです。そこは自覚しています。
それでも私は、ゴールポストが動くのは悪いことではないと考えています。
私が本当に見ているのは、ゴールそのものではなく、その先にある成果です。ゴールは、その成果を出すために「ここまでやればいけるはずだ」と立てた仮説です。
決めたあと、私は走りながら考え続けています。そのことについて一生懸命調べて、こうじゃないかと仮説を立て直して、また調べる。そうしているうちに、新しい情報が入ってきます。その中で、もっと大きな成果につながるゴールが見えたら、ゴールポストを動かします。最初のゴールのまま走り切れば、手に入るのは最初に見込んだ大きさの成果です。途中でより良いゴールが見えたなら、動かしたほうが成果は大きくなります。
1ヶ月、2ヶ月のあいだにゴールポストが動かなかった、というのは、それはそれで良いことでもあります。ただ、完成する前により良いゴールが見えたのに、最初に決めたゴールに向かって走り続けるほうが、よほどもったいない。変えないことより、見えた時点で変えることのほうを選んでいます。
ただ、きれいな理由で動かすときばかりではありません。やりきれなくて、やむなく動かすこともあります。力が足りない、手が回らない、思っていたより重かった。そういう理由でゴールを引き直したことも、正直に言えばあります。
実際にゴールポストを動かしたのは、どんな時か?
会計ソフトの入れ替えです。最初は、やりきれずにやむなく止めました。ところが止めて待っているあいだに、うちにもっと合うソフトが見つかりました。
Miaomadaは、長く使ってきた会計ソフトを、クラウド型のものに入れ替えようとしていました。最初の方針は、ある製品に決めて、実際に使えるところまで一気に入れてしまうことでした。
ところが進めていくうちに、やりきれないと分かりました。期の途中で会計ソフトを替えると、帳簿の途中で仕組みが変わるので、前後のつじつまを合わせる作業が一気に増えます。日々の業務を回しながら、それを最後まで走り抜ける余力はありませんでした。前向きな判断というより、やむなく方針を変えて、今期はこれまでのソフトのまま締めることにしました。
いったん区切って時間ができたあいだに、最初に入れ替えようとしていたものより、うちの使い方に合うクラウド型の会計ソフトがあると知りました。いまは、これまでのソフトとそちらを並行で動かしています。
最初の方針のまま走り抜けていたら、合わないほうのソフトに移し終えたところで、もっと合うものを知っていたかもしれません。止めたのはやりきれなかったからですが、止めたから行き先が変わりました。やむなく動かしたゴールポストが、結果的に良いほうへずれた例です。
社員の意見で、方針が変わることはあるのか?

あります。最近の分かりやすい例は、展示会に合わせてプレスリリースを出したことです。社員の提案で、やってみることにしました。
2026年7月のSPORTEC2026への出展に向けて準備していたとき、営業と開発を持っている人から「PR TIMESでプレスリリースを出そう」という提案が出ました。私のほうには、その発想はありませんでした。
じゃあやってみよう、となって、6月24日にPR TIMESで配信しました。レバーを引くと粉が出てくる仕組みを、会場で実際に触ってもらえることを伝える内容です。
結果、問い合わせがはっきり増えました。リリースの窓口にしていたメールアドレスには、配信から1ヶ月ほどで、雑誌やテレビ番組、広告・PRの会社など20社以上から連絡が届きました。多くは広告の提案でしたが、そこから実際に取引が始まった会社もあります。展示会の前に、ブースに来る前から知ってもらえたという意味で、周知は相当できたと思っています。自分一人で決めていたら、出していなかったリリースです。
この展示会の中身、ブースの作り方や人の組み方は、前回書きました。
方針を決めるのは私ですが、方針の中に入ってくるものは私一人から出てくるわけではありません。意見が出てきたら、なるべく取り入れる。取り入れたら、それもゴールポストを動かす材料の一つになります。
決めたことは、全部前に進んでいるのか?
進んでいません。アイデアだけ出して、全然進められていないものもたくさんあります。
ここまで、ゴールポストを動かす話を書いてきました。ただ正直に言うと、動かす以前に、走り出せてもいないものがたくさんあります。
たとえば、製品を買ってくださった方や、展示会で名刺を交換した方と、メールやLINEで接点を持ち続ける仕組み。やろうと決めたのは2026年7月ですが、まだ形になっていません。インフルエンサーの方と組んで製品を紹介してもらう施策も、6月に方向性まではほぼ決めて、そこで止まっています。
いちばん長かったのは、私が一人で5ヶ月半止めていたものです。プロテインディスペンサーの部品を、単品で買えるようにする件です。言い出したのは2026年4月で、やることの全体像は頭の中にずっとありました。それでも手がつかないまま、9月まで来てしまいました。
止まっていた理由は、あとから振り返ると単純でした。全体像はあっても、最初の一手の大きさまで細かく刻めていなかったのです。しかも待っている相手も締切もないので、後回しにできてしまう。朝礼では社員に「大きな仕事は細かく分けて、まず一番軽いものから手をつけよう。重いものは、軽くなるまでさらに分けよう」と話しているのに、自分ではできていませんでした。9月に工程を刻み直したら、売るものの組み合わせが決まり、製造の相談まで一気に進みました。
思いついて、方針としては口にして、そのまま手がついていないもの。一つや二つではありません。少人数の会社で、思いつく量のほうが手を動かせる量よりずっと多い。それが実態です。きれいに回っている会社のように書くのは違うと思うので、ここは書いておきます。
だからこれからは、出てきたアイデアをなるべく実行に移すことに努めていきたいと思っています。自分が朝礼で話しているとおり、重いものは軽くなるまで分けて、軽いものから手をつける。部品の件で、それが効くことはもう分かりました。最近はAIの力も借りながら、少しずつですが、それができるようになってきたと感じています。
まとめ
- Miaomadaの方針は、代表の私が決めています。出てきた意見はなるべく取り入れ、決めたら考え込みすぎずにまず動きます
- 決めたことは1〜2ヶ月でよく変わります。社員は困っていると思いますが、目指しているのはゴールの先にある成果で、ゴールはそこへの仮説です。走りながら調べて考え、もっと大きな成果につながるゴールが見えたら、ゴールポストは動かすべきだと考えています
- 動かす理由は前向きなものばかりではなく、やりきれずにやむなく動かすこともあります。会計ソフトの入れ替えは、期の途中で最後まで走り抜ける余力がなく、期末で区切りました。止めているあいだに最初の候補よりうちに合うものが見つかり、いまは並行で動かしています
- 展示会のプレスリリースは社員の提案でした。私には無かった発想で、問い合わせがはっきり増えました
- 一方で、アイデアだけで止まっているものもたくさんあります。思いつく量のほうが、手を動かせる量よりずっと多いのが実態です
次は、このシリーズの最後に、AIの使い方を書く予定です。
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私たちMiaomadaは、プロテインの保管と計量を一体にしたプロテインディスペンサーを作っています。この記事を読んで会社に興味を持っていただけたなら、製品のほうも見てもらえると嬉しいです。
