プロテインディスペンサーを比較|同じ名前で中身は3つに分かれる
自社の競合を調べようとして、比較表が作れませんでした。
「プロテインディスペンサー」で検索すると、商品はたくさん出てきます。ただ、並んでいるものの中身がばらばらでした。計量機構を持たない保存容器、商品説明に「米・穀物・コーヒー豆・パスタ」と書いてある穀物用のディスペンサー、ベビーパウダー用の小分けケース。同じ名前の棚に、違う道具が入っている状態です。
同じ列に並んでいるのに、価格は大きく開きます。買う側からすれば、何が違うのか分からなくて当然だと思います。
この記事では、いま「プロテインディスペンサー」と呼ばれている道具を方式で3つに分けて、それぞれが何を引き受けているのかを並べます。粉を出す機構を19回作り直してきた側から書きますが、自社が有利になる軸を選ばないように、比較の物差しは「計量の手間」ひとつに絞りました。

「プロテインディスペンサー」で出てくる製品は、何が違うのか?
**粉を出す仕組みが、そもそも別です。**大きく3つに分かれます。蓋を替えるもの、穀物用の仕組みを流用したもの、微粉のために機構を作ったもの。
| 方式 | どういう道具か | 1回の量の決め方 | 置き場所 |
|---|---|---|---|
| ① 蓋交換型 | いま使っている容器の蓋だけを交換する。ひねると1杯分が落ちる | 固定(サイズ違いで選ぶ) | 増えない |
| ② 穀物用の流用 | 米・シリアル・コーヒー豆用の容量計量ディスペンサー | 固定または段階式 | 本体ぶん増える |
| ③ 微粉専用 | 粉をためる本体に、微粉用の計量機構を積んだもの | 回数で刻む | 本体ぶん増える |
価格.comの「プロテインディスペンサー」の商品一覧を見ると、この3つに加えて、計量機構を持たない保存容器やベビー用のパウダーケースまでが同じ枠に並んでいます(価格.com)。カテゴリの名前だけが先に共有されて、中身の定義がまだ追いついていない、ということだと思います。
作っている側としては、これは弱みではなく、ただ順番の問題だと考えています。ロボット掃除機という言葉が広まる前は、あの棚も同じようにばらばらだったはずです。
蓋を替えるタイプは、どんな人に合うのか?
**毎回ほぼ同じ量を飲む人と、置き場所を増やしたくない人です。**容器を買い替えず、いま使っているボトルの蓋だけを替えます。
代表的なのがMYLIDO(LID-O)です。公式サイトによれば、容器を逆さにしてひねると1杯分が落ちる仕組みで、1杯はおよそ70cc・32g。MiniからXLargeまで5サイズあり、市販のサプリメント容器に幅広く合うこと、BPAフリーで食洗機に対応すること、スクーパー付きの蓋として特許を取得していることが書かれています(LID-O公式)。日本ではAmazon.co.jpに商品ページがあります。
**この方式のいいところは、道具が増えないことです。**プロテインの容器はもともとキッチンにあるので、蓋を替えるだけなら場所を取りません。ひねる動作ひとつで済むので、粉に手を入れる必要もなくなります。飲む量がいつも決まっている人には、うちの製品よりこちらのほうが合っていると思います。
割り切っている点もはっきりしています。1杯の量は固定で、その場では増減できません。容器を逆さにする動作も要ります。ここを許容できるかが分かれ目です。

穀物用のディスペンサーを流用するのはどうか?
**粒のために作られた仕組みなので、微粉のプロテインとは相性が分かれます。**商品説明に米やシリアルと書いてあるものは、そのつもりで作られています。
「プロテインディスペンサー」の名前で売られている製品の中には、商品説明に「米・穀物・コーヒー豆・パスタ・スナック」と併記されているものがあります。プロテインも謳ってはいますが、粒を前提にした設計だと考えられます。
粒と微粉で何が変わるのかは、シリアルディスペンサーとプロテインディスペンサー、見た目そっくりでも中身は別物にまとめてあるので、ここでは繰り返しません。粒は転がって落ちますが、微粉は積もって留まる、というのが要点です。
穀物用のディスペンサーは、粒を出す道具としてはよくできています。粒をやさしくすくって素直に落とすところは、正直よく考えられていると思います。問題は道具の出来ではなく、想定している中身が違うところにあります。
本体ごと置くタイプは、何を引き受けているのか?

**微粉が落ちてこない・こぼれる・洗えない、の3つです。**そのぶん本体の置き場所が要ります。
ALENNEプロテインディスペンサーの場合、ホッパーの中に1kgの粉をためて、レバーを引くと下のシェイカーへ落ちます。中では、レバーと連動して回る攪拌羽根が粉をかき混ぜ、出口の上で粉が橋を作って止まるのを防いでいます。落とす量は、収容筒に入った粉を回転中に擦り切ることで揃えています。
粉の通り道は囲ってあり、飛散を抑えるノズルが付いています。微粉は油分を含むので、工具なしで分解して洗えます。この計量機構は特許第7580860号として登録されていて(米国でも出願中)、辿り着くまでに19回作り直し、5年間毎日使う想定で約25,000回の耐久試験も通しています。
引き受けているものが多いぶん、割り切っている点もあります。**本体ぶんの置き場所が要ります。**キッチンに空きがない人には、これは小さい話ではありません。粉を袋から移し替える一手間もかかります。
結局、どれがいちばん正確に量れるのか?
**どれを買っても「正確に30g」は出ません。**これは各社の作りの問題ではなく、粉の側の性質です。
プロテインメーカーのエクスプロージョン(X-PLOSION)は、付属スプーンについて公式FAQでこう説明しています。「保管場所の『湿度』や『盛る圧力』によってパウダーの密度が変化し1杯分の容量が変わると考えられておりますため、すりきり1杯での正確なグラム表記をしていません」(X-PLOSION公式FAQ)。付属スプーンの量を、メーカー自身が数字で言い切っていないわけです。
蓋交換型のLID-Oも「approximately(およそ)70cc・32g」と書いています。そしてうちも、使い方の記事で「レバーを1回動かすと、約10〜15gが排出されます(重さはプロテインの種類によって変わります)」としか書けていません。特許を取った機構を積んでいても、グラムでは言い切れないのです。
理由は共通しています。同じ体積でも、粉が湿気を吸っているか、ぎゅっと詰まっているかで重さが変わるからです。容積で量る道具は、体積までは揃えられても、そこから先は粉の状態しだいになります。ちなみにLID-Oの公称値(70ccで32g)から逆算すると、プロテインの重さはざっくり1mLあたり0.45gほど。1回分の30gは、およそ65mLのかさになります。
つまり、精度を基準に選ぶことにはあまり意味がありません。グラム単位まで合わせたいなら、答えはディスペンサーではなくキッチンスケールです。ディスペンサーが解決しているのは精度ではなく、手間と衛生のほうでした。
では、何を基準に選べばいいのか?

**「何を面倒だと思っているか」です。**面倒の中身が違えば、合う方式も変わります。
- 毎回だいたい同じ量でいい/道具を増やしたくない → 蓋交換型。いま使っている容器がそのまま使えます
- 日によって量を変えたい/袋に手を入れるのをやめたい/粉が飛ぶのが嫌 → 微粉専用の本体。置き場所と引き換えになります
- とにかく安く済ませたい → 穀物用の流用。ただし商品説明が何を想定しているかは見てから決めたほうがいいと思います
- グラムを正確に管理したい → どの方式でもなく、キッチンスケール
ひとつ補足すると、置き場所は最後まで残る条件です。プロテインディスペンサーを「欲しいけれど置く場所がない」と書いている方を実際に見かけました。機能で解決できる話ではないので、正直に書いておきます。
まとめ
- 「プロテインディスペンサー」という同じ名前で、蓋交換型・穀物用の流用・微粉専用という3つの別の道具が売られています。計量機構を持たない保存容器も同じ棚に並んでいます
- 蓋交換型は道具が増えません。1杯は固定なので、毎回同じ量を飲む人にはこちらが合っています
- 穀物用の流用は、粒のための仕組みです。粒は転がって落ち、微粉は積もって留まります
- 微粉専用の本体は、落ちてこない・こぼれる・洗えないを機構で引き受けます。そのぶん置き場所が要ります
- **どの方式も、1杯が何グラムかを言い切っていません。**プロテインメーカー自身が「湿度と盛る圧力で密度が変わるので正確なグラム表記をしていない」と書いています
比較表を作ろうとして分かったのは、この道具たちが競合していないということでした。同じ名前で呼ばれているだけで、引き受けている面倒がそれぞれ違います。
**選ぶときに見るのは精度ではなく、自分が毎朝どこで面倒だと感じているか。**そこが決まれば、方式は勝手に絞られます。
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ALENNEプロテインディスペンサーについて
私たちMiaomadaは、プロテインの保管と計量を一体にしたプロテインディスペンサーを作っています。計量機構だけで19回の試作を重ね、特許第7580860号として登録されています(米国でも出願中)。

