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プロテインはなぜ値上がりした?5年で約3倍の理由と、1袋を無駄にしない保存

「プロテイン、高くなったよね」という会話を、この1年でよく聞くようになりました。実際、価格は上がり続けています。

なぜ上がったのか。いつ戻るのか。そして、上がってしまった今、私たちにできることは何か。この記事では公開されている一次データをもとに、この3つを整理します。

プロテインを作っている会社ではなく、プロテインを扱う道具を作っている会社の視点なので、「どれが安いか」という話はしません。そのかわり、値上がりが毎日の何を変えたのか、というところまで書きます。

プロテインはなぜ値上がりしたのか?

原料であるホエイの国際相場の上昇と、円安が重なったためです。輸入平均単価は5年で約3倍になりました。

日本で売られているプロテインの多くは、原料を海外から輸入しています。つまり価格は「海外での原料の値段」と「その時の為替」の掛け算で決まります。この5年間、その両方が同じ方向に動きました。原料が上がり、同時に円が安くなった。片方だけなら企業努力で吸収できた幅だったかもしれません。ですが両方が同時に来たことで吸収しきれず、店頭の価格にも表れてしまった、というのが大枠です。

重要なのは、これが一時的な品薄や物流の混乱ではないことです。原料相場と為替という、メーカー側では動かしようのない土台が動いています。

どれくらい上がったのか — 5年で約3倍という数字

輸入平均単価は1kgあたり746円(2021年1月)から2,234円(2026年1月)へ、およそ3倍になりました。

プロテインの輸入平均単価は2021年1月の746円/kgから2026年1月の2,234円/kgへ約3倍に上昇。上昇分1,488円の内訳は原料の上昇分が約893円、円安の上昇分が約595円

この数字は、GronG(グロング)が公表している輸入平均単価の推移によるものです。

これを軸に置いたのは、円建ての一次データで、グレードの違うものを混ぜていないからです。海外のスポット相場を引くと数字は派手になりますが、業務用の粗いグレードと製品用の精製グレードが混ざり、比較として成立しません。ここでは「日本に実際に入ってきた原料がいくらだったか」だけを見ています。

一方、店頭価格は同じようには上がっていません。各社が公表しているデータによれば、こうです。

  • ある国内大手メーカーの主力ホエイプロテイン(980g)は、2022年6月から2026年7月にかけて、1kgあたりの単価でおよそ30.5%上がりました
  • 同じメーカーは2022年6月に、内容量を1,050gから980gへ変更し、価格を据え置いています。1kgあたりに直すとおよそ7.1%の実質値上げにあたります
  • ある大手メーカーは2023年4月に、希望小売価格をおよそ4.5%引き上げています

原料が約3倍になっているのに、店頭は約1.3倍にとどまっています。この差は、メーカー各社が内容量の調整なども含めて、相当な部分を努力して吸収してきた結果だと見ています。値上げに踏み切る前に、できるところまで自分たちで引き受ける。その積み重ねがあって、私たちが店頭で払う金額は、この幅で済んでいます。

原料と円安、どちらがより効いているのか?

おおよそ原料が6割、円安が4割です。2つの別々の計算方法で、ほぼ同じ比率になりました。

内訳を確かめるために、独立した2つの経路で計算しました。

  1. 円建ての輸入単価を為替で割り戻す方法: 原料62%・円安38%
  2. 欧州の相場をユーロ建てで見て、ユーロ円を掛ける方法: 原料58%・円安42%

やり方の違う2つの計算が、どちらも「6:4くらい」に着地しました。細かい数字は前提の置き方で動きますが、「原料のほうがやや大きい。ただし円安も無視できない」という結論は、どちらの経路でも変わりません。

これが意味するのは、仮に円高に振れたとしても、値上がりの4割ぶんしか戻らないということです。原料そのものが下がらないと、元の水準には戻りません。

肥満症薬(GLP-1)のせいで高くなった」は本当か?

よく言われますが、数字では裏づけられません。当事者であるメーカー自身が、その説明をしていないからです。

検索すると「GLP-1受容体作動薬(肥満症薬)の普及でタンパク質需要が急増し、ホエイが高騰した」という説明がよく出てきます。AIによる要約でも、この説明が答えとして提示されます。筋の通った話に聞こえますし、私も最初はそう理解していました。ただ、調べてみると様子が違いました。

まず、ホエイ原料をつくっている海外の大手メーカー自身が、需要が好調な理由としてGLP-1を挙げていません。ホエイがよく売れていることは認めているのに、その理由に肥満症薬を持ち出していない。もし本当に主因なら、真っ先に説明されそうなものです。プロテイン製品を手がける大手も、触れてはいるものの「追い風のひとつ」という以上の説明はしていません。

そして規模の問題があります。肥満症薬を使っている人の割合そのものに上限があり、仮にその全員がプロテインを増やしたとしても、ホエイ全体の需要が動く幅はごくわずかです。原料が3倍になった説明としては、桁が足りません。

つまり、GLP-1はゼロではないが、主因ではない。主因は先に見たとおり、原料相場と円安です。

このあたりは、もっともらしい説明が広まると、当事者が言っていないことでも定説になってしまう例だと思っています。数字が合うかどうかで確かめるしかありません。

いつ元に戻るのか?

短く見積もっても2027年後半以降と見られます。つまり、あと1年半ほどはこの水準が続く前提で考えるのが現実的です。

原料相場が反転するには、乳製品の生産が増えて需給が緩む必要があります。乳牛を増やして搾乳量が上がるまでには年単位の時間がかかるため、来月・来季で急に戻るという性質のものではありません。為替のほうは動きうるものの、先ほど見たとおり戻るのは4割ぶんです。

「そのうち下がるから待とう」が成立しにくい、というのが正直なところです。

値上がりで効いてくるのは「1袋を最後まで使い切る」こと

1袋の値段が3倍になったということは、1袋をダメにしたときの損失も3倍になったということです。買い方より、使い切り方が効いてきます。

安いプロテインを探す、まとめ買いする、セールを待つ。どれも有効ですが、原料が3倍になっている以上、探して見つかる差には限りがあります。

一方で、こちらはあまり語られません。買った1袋を、最後まで品質を保ったまま使い切れているか。

開けっぱなしにしていた、こぼした、固まって捨てた、賞味期限を過ぎて残っていた。以前ならそれほど痛くなかったこれらが、いまは3倍痛い。同じ「もったいない」でも、金額が変わっています。効くのは次のあたりです。

開封済みのプロテインの袋から粉末がこぼれている様子

道具の側からできること

プロテインディスペンサーは、粉に手を触れさせずに決まった量を出すための道具です。こぼす量と、開け閉めの回数を減らせます。

私たちが作っている ALENNEプロテインディスペンサーは、レバーを押すと決まった量が出ます。値上がりへの答えとして作ったものではありませんが、結果として「1袋を無駄なく使い切る」方向には効きます。ただしホッパーは厳密な密閉構造ではありません。毎日の計量と衛生をラクにする道具であって、長期保存そのものを担う容器ではないので、保存は保存に向いた容器で、という組み合わせが現実的です。

まとめ

  • プロテインの輸入平均単価は、2021年1月から2026年1月で約3倍になりました。原因は原料の国際相場の上昇と円安で、寄与はおおよそ6:4です
  • よく言われる「肥満症薬(GLP-1)が主因」は、当事者の開示にも規模の面からも裏づけられません
  • 相場の反転は短くても2027年後半以降。あと1年半ほどは今の水準が続く前提で考えるのが現実的です

値上がりは私たちにはどうにもできません。ただ、買ったぶんを無駄にしないことは、今日からできます。

ALENNEプロテインディスペンサーの購入リンク

値上がりした1袋を、最後まで無駄なく使い切りたい方は、粉に手を触れさせず決まった量を出せるプロテインディスペンサーもご検討ください。

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